元祖“全国”芋煮会 in 中山とは
山形県の秋の風物詩「芋煮会」。その発祥の地と言われている中山町では、例年9月の最終土曜日に元祖芋煮会in中山を開催し、発祥当時に食されたという芋棒煮の振る舞いや様々なイベントで盛り上がっています。
2024年の元祖芋煮会in中山は、中山町誕生の70周年記念行事として日本各地から八大芋煮を取りそろえた元祖“全国”芋煮会として開催し、芋煮会発祥の地から全国へと芋煮・芋煮会文化を発信していきます。
日本八大芋煮について
日本三大芋煮および全日本芋煮会同好会が紹介している東北各地の芋煮の中から、今回の元祖芋煮会で提供する次の8種類の芋煮を本イベントにおける日本八大芋煮(注)としています。
(注)本イベントで提供する8大芋煮の他にも、各地にはそれぞれの地域の特色を持つ芋煮が数多く存在しています。本イベントは芋煮会発祥の地である中山町で全国の芋煮・芋煮会文化の普及啓蒙することを趣旨とし、各地の芋煮・芋煮会文化と共に発展していくという考えのもとで開催するものです。今回はイベント運営上の都合により数多くの芋煮の中から以下の8種類を選定いたしましたが、尊重すべき各地の文化について優劣をつける意図はございませんので、あしからずご了承ください。
山形芋煮(山形県村山地方)
山形県内陸部でも特に芋煮会が盛んに行われる山形県・村山地区の芋煮。
多めの里芋と牛肉をふんだんに使った、醤油風味が特徴です。
内陸の他の地域(最上、置賜)も牛肉・醤油風味が基本ですが、最上地区ではさまざまなきのこ類、置賜地区では大根や豆腐などを加えたりして楽しまれています。また、ひと通り芋煮を堪能した後に、残った汁で「カレーうどん」で締めるのが定番になりつつあり、カレーうどんを楽しむために芋煮を作る方がいらっしゃるほどの人気です。
北前いも煮(山形県中山町)★日本三大芋煮
山形県の芋煮といえば牛肉や豚肉が入っていますが、芋煮会発祥の地で発祥当時に食されていたとされるのが、お肉ではなく棒だらを使用した棒だら芋煮。この棒だら芋煮を現代風に食べやすく復活させたのが「北前いも煮」です。里芋と棒だらなどの具材を昆布・かつお出汁ベースでじっくり煮込んださっぱりした味わいです。
(補足)江戸時代、中山町長崎は最上川舟運の船着き場として栄えました。荷を待つ間、船頭は河原で北前船が運んだ棒だらと地元の里芋を鍋に入れ、酒盛りをしました。これが芋煮会の始まりです。その当時食されていた棒だら芋煮を現代風に復活したのが「北前いも煮」です。北前いも煮は、令和4年9月19日の第13回元祖芋煮会in中山において、町の新しい特産品ブランドとしてお披露目されました。
庄内芋煮(山形県庄内地方)
同じ山形県でも、日本海に面した庄内地区は豚肉・味噌風味。
宮城風に似ていますが、具材の種類は少なく、厚揚げがアクセントになっているのが特徴です。
仙台芋煮(宮城県)
宮城県の芋煮といえば、豚肉・味噌風味。
さまざまな根菜を使い、具材を柔らかく煮込むのが特徴です。
岩手芋煮(岩手県)
岩手県の内陸、三陸周辺の方からうかがったレシピを参考に整理した、鶏肉・醤油風味が特徴。秋田県のきりたんぽ鍋の風味に似ていますので、締めにきりたんぽを入れて楽しむのも良いかと思います。
福島芋煮(福島県)
福島県の芋煮は、「浜通り、中通り、会津」によってレシピが異なるようで、同じ浜通りでも相馬といわきでは異なるレシピが存在するようですが、明確な区切りがありません。多くは豚肉を使い、味噌風味、醤油風味、醤油と味噌のミックスと、バリエーションが多く、根菜が多く使われます。
津和野芋煮(島根県津和野町)★日本三大芋煮
炙った小鯛の出汁と火山灰地で育ったキメの細かな里芋だけのシンプルで上品な澄まし仕立て。柚子の香りが風味を一層豊かにします。
(補足)島根県津和野町では十五夜の観月会に芋煮の宴をしつらえ酒杯を交わす習慣があり、嘉永2年の奉納額にも芋煮の様子が描かれています。
いもたき(愛媛県大洲市)★日本三大芋煮
粘り気が強くホクホクとした食感の里芋と鶏肉を中心に乾しいたけ、こんにゃくなどを入れて煮込んだ、醤油ベースの少し甘めな味の芋煮です。
(補足)藩政時代から、収穫した里芋を持ち寄り肱川河原で親睦行事が行われていました。今では秋の風物詩として観光行事化されています。
更新日:2024年09月27日